大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和40(あ)2538 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意は、憲法三七条二項違反を主張するが、裁判所が、被告人

側の申請した証人をその喚問の必要がないとして却下しても、憲法の同条項に違反

しないことは、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第八八号同年六月二三日大法廷

判決、集二巻七号七三四頁)とするところであるから、右論旨は理由がなく、その

余の論旨は、事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人宮崎梧一の上告趣意第一点は、判例違反を主張するが、原判決は引用の各

判例となんら相反する判断をしたものではないから、論旨は理由がなく、同上告趣

意第二点は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らな

い(本件のように被告人が二通の小切手を喝取した事実を単純一罪として起訴され

た場合、右被害金品の一部である額面六六万円の小切手一通について、犯罪の成立

が認められないときには、有罪と認めた事実のみを罪となるべき事実として判示す

れば足り、認めなかつた部分について、主文においては勿論理由においても特に判

示する必要はないものと解すべきであるから、所論のように審判の請求を受けた事

件について判決をしなかつたという違法はない)。

また、記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条、一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり判決する。

昭和四一年四月一五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

- 1 -

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!